sweet memory ～奏大side～

「お待たせしました。ご注文頂いた品物はこちらでよろしかったでしょうか？」

「！」

「あぁ」







店員が差し出した物は、ペアの指輪。
花菜は驚きを隠せず、思わず奏大のことを見た。
奏大はというと、花菜の視線には気にも止めず、店員の話を聞いていた。
先程の緊張なんて全く感じられず、表情が全く変わらなかった。









「では、サイズの確認をお願いします」








店員に促され、奏大は繋いでいた手を離すと、小さい方の指輪を取り、花菜の右手薬指に付けた。
花菜の指に付け終わると、サイズもピッタリで、デザインした感じも違和感なく、奏大は満足そうな笑みを浮かべると、今度は自分の右手にも同じように付け始めた。