レンタル彼氏【完全版】
「………今日はいい」


「え?」


「今日はホテルな気分じゃない」


「………」



な、なんだそれ。
これじゃあ、私が恥かいただけじゃないか。


「…伊織様も、処女は相手したくないってゆうの?」


苛ついた私は、伊織を挑発するような態度をどうしても取ってしまう。


だけど、伊織は私の挑発には一切乗らずきっぱりと言った。


「…次会った時、行くから今日はいい」


その後、いくら私が言っても伊織は何も言い返してはこなかった。



ただ、一言。



「自分を大事にしろよ」


って。



ちんぷんかんぷんだよ。
そんなん私の自由ではないんだろうか?



伊織は私を好きではない。
わかってる、そんなこと。



今日の電話だって、さっきの温かい空気も。




伊織の演技なんだ。
< 77 / 813 >

この作品をシェア

pagetop