レンタル彼氏【完全版】
その後、どのぐらい沈黙だったかはわからない。

だけど、何を話せばいいのかわからなかった。



伊織はきっと、心の奥に触れて欲しくないんだと思う。
だけど、私はそれをさらけ出して欲しいと思う。



きっと。


これが、レンタル彼氏なんだ。




相手を知りたい。
そう、望めば望むほど何もわからなくて。


伊織は完璧に彼氏をしてくれるけど、自分から愛情を求めたりしない。



それが女の子は不安になるんだ。


愛されたい、そう願うのに相手は私を見てくれてない。
見ようともしない。


それは顧客だから。



残酷だよ、ねえ。


伊織に興味を持てば持つほど、伊織は私に心を開かなくなるんだ。



伊織は何が真実で、何が偽物なの?
< 78 / 813 >

この作品をシェア

pagetop