[短編]One-Way ticket~仁の場合~
それからの俺は今思い出せばストーカーだった。


毎日毎日アコに会いたかった。
会いに行った。


やっとアドレスを交換した頃
季節は秋になっていた。


「アコ・・・。」

どさくさに紛れて初めて名前で呼んだとき
一瞬
大きな目を俺に向けたよな?


俺も内心は心臓が口から飛び出そうなくらい

他のやつらにも気づかれそうなくらい

顔を赤くしていたと思う。


夜でよかった

バーベキューをしていてよかった

酒が入っていたよかった


そしてお前は
ゆっくり返事をした


「ん?」


それが聞こえて


俺はお前を
より一層
愛おしく思ったんだ


アコ


あの時


お前は俺をどんな風に見ていた?

その大きな目に
俺はどんな風に写っていたんだ?



俺は
あの時から・・・
お前を名前で呼んだ時から

アコ


お前を俺だけのものにしたかったよ。


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