『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——
西森の横顔を、遠くビルの背に消え入ろうかとする太陽の、最後の輝きが照らしだす。

長いまつ毛が頬に淡い影を落としている。

顔のうぶ毛が黄金色に透けている。色づくまえの、桃の実のようだ。
白いセーラーの袖も、そこからのぞく腕も、昏れる色に染められて。

風が、彼女の長くほそい髪をもてあそぶ。


もう運動部も放課後の練習を終えたのか、グラウンドからはなにも聞こえてこない。


どんな眺めが、西森の目に映っているのか。

ゆっくりと西森がまぶたを上下し、頬の影がゆれる。



鳥が一羽、ねぐらに戻るのか、かなたの空を渡っていった。
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