『世界』と『終』  ——僕がきみを殺したら——
一限が終わると、僕は教室をでてその場所へむかった。

10分休みですむ用件ではないだろう。授業をサボるのは初めてだな、そんなことが頭をよぎる。

ドアを開けて足を踏みいれる。他の生徒の姿はない。


ひどく静かだ。本がすべての音を吸い込んでしまったように。

カウンターに足をすすめて、貸し出しノートをめくる。
9月の始め、メモがはさまった本を借りたときの記帳を探す。


僕の字のよこに、貸し出し手続きをした司書教諭の印鑑が捺してある。
《伊藤》という名だ。
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