Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「でも、もし万が一って場合もあるし、3つも年上の私が彼女なんて」
「父さんには奈央美のこと言ってあるよ」
「ええ?」
「ごめん。ちゃんと言ってなくて。父さんの職場に見合い話をやたら持ってくる人が居るらしいんだ。だから、1回だけでいいからお見合いしてくれって、2週間前ぐらいに言われたんだよ。そのときに話したんだ」
 反対されたり、お見合いを無理やり決行されたりしてないかな。

「お父さん、なんて言ってた?」
「自力でいい人が見つかってよかったな。仲良くやれよ、だって」
「それだけ?」
「うん。年のことは気にしなくていいから。俺の母さん、父さんより5つ上だったんだよ」
 それは初耳で思わず「えっ、そうなの?」と聞き返してしまった。
「うん。父親の遺伝子、ちゃんと引き継いでるみたいだな、俺」
「ねえ、お見合いしちゃ、ダメだからね」
 そんなことを涼太がしないのはわかっていても、言っておかないと不安になる。

「当たり前、するわけないよ。で、鍵はもらってくれる?」
「ううん。どんな理由であれ、実家の鍵はダメでしょ」
 涼太は合い鍵を渡したいみたいだけど、私は受け取らない姿勢を崩す気は全くない。
 しょうがないなという顔しながら「わかった。でも、そのうち奈央美が俺の実家の鍵を持っても問題ないようにするから」と言った。

 涼太はこれをプロポーズみたいなことを言っているって自覚しているのかな。ただ、宏実さんとお父さんに許可を取るとかだったら、ちょっと笑っちゃいそうだなと思った。
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