Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「佐伯、昼飯でも食べに行かないか」と、松下さんに誘われた。
今日はペンションのことで、涼太は軽井沢に行っている。涼太が居ないことにほっとしている自分と、寂しいと思っている自分が居た。
松下さんのお気に入りの定食屋で、私は肉じゃが定食を頼んだ。肉じゃがのジャガイモがほくほくで、飴色玉ねぎの甘さは、一口食べただけ幸せな気分になる。
「大丈夫か?」
松下さんのその言葉が何を指しているのか、すぐにわかった。
「大丈夫、じゃないですよね」
箸を止め、お茶碗を眺める。
「私が悪いんだから、ちゃんと謝らなくちゃいけないのに、涼太の顔を見るとなにも言えなくて」
「そうか。喧嘩って、難しいよな。子供の喧嘩も、大人の喧嘩もさ。でも、喧嘩の先には希望がある。俺はいつもそう思ってるよ」
「希望ですか?」
「ああ。昨日、杉山が『シルバー・ラボ』の契約取り付けたぞ」
そうだったんだ。昨日は中野先輩と一緒にフランス料理店の内装確認で、事務所に居なかったから。
「そうですか。よかった」
「その言葉、ちゃんと杉山に言ってやれよ。あいつは佐伯に褒めてもらうのが一番嬉しいんだからさ。理由は何であれ、多寡が喧嘩だろ。そんなことで、別れるなよ」
松下さんはそれ以上は何も言わなかった。
今日はペンションのことで、涼太は軽井沢に行っている。涼太が居ないことにほっとしている自分と、寂しいと思っている自分が居た。
松下さんのお気に入りの定食屋で、私は肉じゃが定食を頼んだ。肉じゃがのジャガイモがほくほくで、飴色玉ねぎの甘さは、一口食べただけ幸せな気分になる。
「大丈夫か?」
松下さんのその言葉が何を指しているのか、すぐにわかった。
「大丈夫、じゃないですよね」
箸を止め、お茶碗を眺める。
「私が悪いんだから、ちゃんと謝らなくちゃいけないのに、涼太の顔を見るとなにも言えなくて」
「そうか。喧嘩って、難しいよな。子供の喧嘩も、大人の喧嘩もさ。でも、喧嘩の先には希望がある。俺はいつもそう思ってるよ」
「希望ですか?」
「ああ。昨日、杉山が『シルバー・ラボ』の契約取り付けたぞ」
そうだったんだ。昨日は中野先輩と一緒にフランス料理店の内装確認で、事務所に居なかったから。
「そうですか。よかった」
「その言葉、ちゃんと杉山に言ってやれよ。あいつは佐伯に褒めてもらうのが一番嬉しいんだからさ。理由は何であれ、多寡が喧嘩だろ。そんなことで、別れるなよ」
松下さんはそれ以上は何も言わなかった。