Sweet Room~貴方との時間~【完結】
「そっか。まあ、振られるってわかっててプロポーズしたんだけどさ、それでも凹むな。ああ、北海道行く時にプロポーズしておけばよかった。そしたら、佐伯は今頃、俺の奥さんだったかもしれないのにな」
 確かに、そうだったかもしれない。でも、私達はその未来を選ばなかった。

「佐伯、幸せになれよ」
「はい。先輩も幸せを見つけて下さい」
「もし彼氏に振られたら、いつでも戻っておいで。すぐ受け入れてあげるから」
「どんな結果になっても、先輩の所に戻ることはありませんよ」
 中野先輩は少し寂しそうな顔で笑って、ビールを一気飲みした。

 これで、涼太と真正面から話せる。

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