Sweet Room~貴方との時間~【完結】
『もしもし?』
 電話に出た杉山の声の後ろには「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」が、ガヤガヤした音に混じって聞こえてくる。

「杉山、もう部屋いつ戻って来てもいいから」
『わかりました。今、レジするところなんで、10分くらいで部屋に戻ります。何か要る物とかありましか?』
「ううん。特にないから」
『そうですか。レジの回ってきたんで』
「うん」

 電話を切ってから、杉山は本当に10分ぴったりに帰ってきた。

「戻りました」
「佐伯さん、サンドイッチとおにぎり、どっちがいいですか?」

 杉山がローテーブルにサンドイッチやおにぎりを置き、最後にペットボトルのコーヒー牛乳を出した。それは私が好きなメーカーのコーヒー牛乳。

「あっ! コーヒー牛乳!」
「コーヒー牛乳好きなんですか?」と、ちょっとビックリした顔の杉山が言う。
「うん」
 私のイメージじゃないよね、コーヒー牛乳。でも、好きなんだよね。
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