Sweet Room~貴方との時間~【完結】
ちょっと考えれば気付きそうなのに、私は彼を好き過ぎて気付かなかった。彼は私の存在を隠したかったんだ。違う、ないものにしたかったんだ。
鏡の中の顔は、惨めで痛かった。彼と別れても、仕事が忙しくて泣かずに済んだ。思いもよらないところで、涙を流す時間が出来てしまった。
「うっ、うっ、あんな奴のために、泣かないって、決めたじゃない。泣いちゃダメでしょ」
泣き止むことが出来ない私は、泣いている自分を無視して、服を脱ぎ、シャワーを顔から被った。こうすれば泣いていないのと同じになる気がして。
シャワーを浴びると意外にスッキリした。冷水で目の軽く冷やし、髪を乾かして、軽く化粧をする。
「これなら泣いたこと、わからないよね」
服を着て、バスルームを出た。
杉山はまだ戻ってきていなかった。
あと20分くらいは戻ってこないかもしれない。電話しよう。
テーブルに置いた携帯を手に取り、杉山の番号を呼び出す。数回の呼び出し音が鳴った。
鏡の中の顔は、惨めで痛かった。彼と別れても、仕事が忙しくて泣かずに済んだ。思いもよらないところで、涙を流す時間が出来てしまった。
「うっ、うっ、あんな奴のために、泣かないって、決めたじゃない。泣いちゃダメでしょ」
泣き止むことが出来ない私は、泣いている自分を無視して、服を脱ぎ、シャワーを顔から被った。こうすれば泣いていないのと同じになる気がして。
シャワーを浴びると意外にスッキリした。冷水で目の軽く冷やし、髪を乾かして、軽く化粧をする。
「これなら泣いたこと、わからないよね」
服を着て、バスルームを出た。
杉山はまだ戻ってきていなかった。
あと20分くらいは戻ってこないかもしれない。電話しよう。
テーブルに置いた携帯を手に取り、杉山の番号を呼び出す。数回の呼び出し音が鳴った。