【完】芸能人に、恋をした。



「蓮く、」




名前を呼ぶ声は遮られた、


───蓮くんの唇によって。






「…っ、ん…」



─いつもより、激しい…?



角度を変えて深くなっていくキスに、息が荒くなる。






「…んっ…ゃ、…」



器用に滑り込んできた舌に、思わず声が漏れる。





すると、離れた唇。


お互いに小さく肩で息をする。






「…ずっと、キスしたかった」



甘い囁きに、胸がきゅっと締め付けられる。






──そんな時に浮かぶ、


女優さんとの電話越しの会話や

真子たちと楽しそうに話す蓮くんの姿。





最低だな……。


一人、そんなことを思う。





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