レインボーウォッチャー
―――あぁもう。




結局またトリップしちゃったじゃないか。







いい加減出てよ、虹。





人気者の彼と、付き合えるなんて思ってなかったはずなのに。


それでも痛む胸を、なんとかしてよ。






ねぇ神様。



知ってるんでしょう?





雨上がりの澄んだ空に架かる虹を見れば、あたしは元気になれるって。






『雨が降った後には、綺麗な景色が待ってるんだよ。』



そう教えてくれた大好きだったお祖母ちゃんが死んだ時も。


あたしは、虹を見て泣き止んだこと、知ってるんでしょう?



8歳のあたしに、虹が力をくれたこと、知ってるんでしょう?




―――なら。


それなら。



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