【続】恋愛のやり直し方
「……」


「……ふっ。困った顔」




返す言葉か見つからず、いつもより多めに瞬きをする私に、クスリと柔らかく笑う立花さん。




その表情と声色で、さっきの『好き』が、艶っぽいものではなくて、家族愛に似たようなモノだっんだと分かった。



──よかった。





今、真剣に立花さんから告白されても、私の心は揺らぐことはないけれど、面と向かって立花さんの気持ちを断ることは、心が痛む




その考えも既に自己中心的なものだけど……




今の私に、立花さんへ恩返しできることは何だろう?




「こら。目の前に俺がいるのに勝手に物思いに耽るな。それでなくても、時間が限られてるのに」



「あ……ごめんなさい」




「そういう所も好きなんだけど」と、また返事に困ることをサラっと言う立花さん。




困って俯く私を見て、ニヤリと口角が上がった。




「……立花さん、イジワルしてるでしょ」


キっと睨む私に、1ミリも動揺しない立花さんは、シレッと


「まぁね」





と、笑う。




「もぉ」と、立花さんを軽く叩いた私の手をサッと掴まれ、強引に引き寄せられる




あっと思った時には、立花さんの大きな胸の中にいた。





「幸せになれよ。もう綾の逃げる道は用意してやれないからな」
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