【続】恋愛のやり直し方
目尻を下げて、微笑む友田。



この先、何度この顔にドキドキさせられるのだろう。




「さて、帰ろっか」


友田の笑顔にいちいちドキドキさせられてるなんて、恥ずかしくて俯く私の頬を一撫でして、ハンドルに向き合うその横顔をチラリと盗み見て更にドキドキする。



整った顔。



国産車よりも広いハズの運転席なのに、少し窮屈にも見えてしまうほどスラッと長い脚。




いつも何歩も先を読んでるから、相手を不快にさせる言動なんてほぼ無くて、身のこなしも、嫌み無くスマート。



仕事だって、成功者の部類に余裕で入れる小説家。




そんな人が隣にいる。




今さらだけど、こんな人と自分が出会った事が信じられない。




『運命』なんて一言では到底納得も実感もできない。




だけど、確かに私の隣に友田直樹はいて、いつの間にかマジマジと観察してしまっていた私に、優しい眼差しを向けている。
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