3つのR


 あははは、とまた笑い声が聞こえる。別に彼は私をからかってるつもりはないのだろうけれど・・・実際のところ、そうなってるわ。私は一人で照れたままで、がっくりと肩を落とした。

『じゃー、また。俺はもう一回寝ます~』

「・・・はい、ゆっくり寝てね。お休みなさいー」

『ジュンコさんこれからゴミ拾い?変な男についてっちゃダメですよー』

「ついてきませんよー」

 はいはーい、そう言って最後にまた笑い声を残し、彼は電話を切った。

 私はふんわりと嬉しくなる。

 まだ寝起きで、頭もぼさぼさで、目やにまでついちゃってる可愛くない状態だけど、そんな冴えない格好に気がつかないほどに、嬉しかったのだ。

 ようやく腰をあげて毎朝の支度をしに部屋を出たのは、結局いつもの時間をとうに過ぎてからだった。



「それって一般的にはデートと言うんじゃないの?」

 姉が黄色い声(頭のてっぺんから出してるのかと思うような、あれだ)で言った。瞳はランランと輝いているし、まだ寝癖ではねている短い髪の毛もそのままでぐいい~っと体を乗り出す。

「・・・龍さんは、そう言って誘ってくれたけど、ね」

「ならそうなんだわよ!ここで聞くのはなんだけど、あの子には彼女はいないんでしょうね?」


< 125 / 258 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop