3つのR
その時は、頷いただけだった。
でも私にとってはかなりの衝撃を彼は与えたのだ。・・・休みは、多いに越したことない?・・・だって元夫は、彼は楽しいからってずっと働いていたもの。私はそれの邪魔をしちゃいけないんだと思ってた。
そして。
そして。
一人で、それを待っていた。
すっかり食べてしまった私のお皿を龍さんが長い腕を伸ばして前からとる。立ち上がってそれを手伝いながら、頭を下げた。
「本当に美味しかったです、ご馳走様でした」
「うん。喜んで貰えたら俺はそれで満足だから」
満たされたお腹に勇気を貰って、私は彼を見て口を開いた。
「あの・・・お代金、どうしたらいいですか?材料代とか・・・」
一瞬驚いた顔をして、それから彼はにやりと笑う。
「要らないよ。来てくれたから、それで十分」
「でも」
「いーらーねー」
「・・・はい」
一度解いた腕まくりをもう一度して、えらく素早く龍さんは食器を片付ける。あまりにも綺麗で的確な動きなので、よそ者の私は「手伝いましょうか~」などとは言えなかった。だって邪魔になるのがハッキリと判ったんだもの。