3つのR
「ねえ、ジュンコさんまだ時間ある?」
片付けを終えた彼が私を振り返る。・・・・時間はある。だけど、本当にいいのかな。私は困ってそう考えていた。
この人、どうして私に付き合ってくれるんだろう。時間潰しは実際必要なんだけど、彼には貴重な休みじゃないのだろうか。
「はい、時間は・・・ありますが。でも貴重な休日じゃないんですか?忙しいんじゃ・・・」
「ん、ジュンコさんを誘うのに忙しいねえ。俺は他に予定がないし、今の新しい出会いを遠慮しなきゃなんないような特別な誰かもいない」
サラッと話しながらまたにこにこと笑う。私はそのタレ目が細くなる瞬間をいたく気に入ってしまったらしい。目が、離せないのだ。目じりにちょっと皺がよる一瞬が。甘く柔らかくなるその笑顔が。
「彼女がいない・・・何だか勿体無いですねえ。二人や三人はいそうなのに」
二人や三人!?と小さく叫んでから、彼は自分の胸を押さえた。ショックを受けたらしい。え、どうしてだろう・・。私としては格好いいですねって褒めたつもりだった。
「そ、そんなに軽薄に見える?付き合ってる人がいるなら一筋なんだけど!まあ確かに女性は大好きだけど!」
正直な物言いにちょっと笑ってしまった。つい調子にのって私はまた言う。
「付き合ってきた人の数も多そう」
「・・・多いねえ。まあいつでも振られる可哀想な男だけど」
「え、振られるんですか?・・・それはもしかして」