3つのR
「どうした、ジュンコさん?」
「いえ、何も。・・・ええと、散歩、行きますか?」
一瞬でしょげていた背中を直して彼は笑う。
そうしよう、そう言って彼がカウンターを回ってきた。私は自分の荷物を持って、椅子を直してから入口に向かう。
「鍵しめるから出て待っててくれる?」
「はい」
はあ~・・・ドキドキしてしまったわ、自分に!どうした私。そんなキャラじゃあなかったはずでしょ?わたわたと、さっきの自分の行動を分析しようと頑張った。だけど無理だった。だって咄嗟の行動だもの。ぎゅうっと右手を強く握る。・・・あの、綺麗な茶色の髪は、触れてみたら――――――――どんな感触なんだろうか・・・。
彼は私の家の方角を聞いて、病院を越えた川原に向かうことにしたらしい。
「いい天気だし、食パンもってきたら良かったな~」
私は歩きながら首を傾げた。
「パン?まだお腹すいてるんですか?」
あはははと彼は前で笑う。春の光や風を全身に浴びていて、非常にリラックスしているようだった。