3つのR
私はちょっと笑った。美男子に会ったと興奮する姉が可愛かったのだ。でも確かに、長めの髪の毛で彼はやんちゃな雰囲気が強調されていたように思うから、それが短くなると随分雰囲気が変わるのだろうなあ、そう思った。
「で、あ!って私が言ったらじーっと見て、ジュンコさんのお姉さんだ!って言ってたわ。あの時の私は酷い格好で、今日はまだまともな格好だったのに一発で判られてちょっとショックだったけど~」
ケラケラケラ。姉は何がおかしいのか一人で笑っている。・・・ちょっと酔ってる?いやいや、何も飲んでないのにどうして酔うのだ。それともこれも美男子効果なのだろうか。
「元気そうだった?」
私の質問に、簡単にうんと言ってから、驚く言葉をサラリと続けた。
「明日遊びにくるって言ってたわよ~」
――――――――え?
漫画でよくある目が点。あれをリアルに体験してしまった。
「ええ?」
一瞬反応が遅れてから、ちょっと大きな声が出る。姉はまたお箸をもって、こともなげに言った。
「土曜日が仕事休みらしいのよ~。それで、明日休みなんで美味しいもの持ってきますって言ってたから、ありがとう~って言っておいたわよ。潤子も家にいるでしょ?」
「い、いるけど・・・そんな迷惑な。龍さんには何か予定があるんじゃない?」
呆れた私がそう言うと、姉は激しく瞬きをした。