ラベンダーと星空の約束
曲の音量は大きく、歌声も叫ぶ様な感じ。
向こう側に座る流星に、会話が聞かれる心配は無さそうだった。
そう判断し、瑞希君には隠すことなく地名を告げた。
「フラノ出身なの。ラベンダーの町、富良野。知ってる?」
そう言うと、瑞希君が急に真顔になる。
「フラノ…」と呟き何かを考えた後、こう言われた。
「大ちゃんの小説の舞台と同じだね…
ごめん、僕分かっちゃった」
「え…?」
「紫ちゃんは…大ちゃんを追い掛けて来たんじゃないの?
大ちゃんが捜している“紫(ムラサキ)ちゃん”
やっぱり紫(ユカリ)ちゃんでしょ?」
そう言われて驚きを隠せなかった。
“紫(ムラサキ)ちゃん”の話しを瑞希君も知っていたんだ…
そうだよね…
何だかんだ言っても、2二人は仲良さそうだもんね…
私に話したくらいだもの、瑞希君はとっくに知っていて当たり前…
どうしよう…
冷汗が背中を流れ落ちた。
瑞希君が流星に話してしまったら…
慌てて瑞希君の手を握りお願いする。
「流星には言わないで!お願い!」
「どうして隠すの?」
「それは…
後で話すから…寮に帰ってから話す」
「…… 分かったよ。
そんな顔しないで?紫ちゃんが嫌がることなんて、僕がする訳ないから」
「ありがと…」