ラベンダーと星空の約束
シュワシュワ……
プチプチ…ピチピチ……
ティン…ティン…ティン……
この音色…覚えているよ。
流星、5年前も同じこと言ってたんだよ?
あなたは忘れているけど、私は覚えている。
――――――…
―――――
「流ー星ー お待たせー!
おやつとジュース持ってきたよ!」
「ハハッ ありがとう。
でも、また勝手にお店から持って来たんじゃないだろうね?
お母さんに叱られるよ?」
「…後で謝る」
「その時は僕も一緒に謝るよ」
私と流星のいつもの場所、
ラベンダー畑の前の白樺並木の木陰で、
うちの土産物店から勝手に持ってきたお菓子の袋をバリッと開けた。
ジュースは500mLペットボトルに入ったサイダー。
ラベンダー色したご当地物のサイダーだ。
味は普通のサイダーだけど、仄かにラベンダーの爽やかで優しい香りがする。
2本持ってきたサイダーの内、
一本を流星に手渡して、自分の分のキャップを開けようとすると、
「ちょっと待って!」
と手首を掴まれた。