ラベンダーと星空の約束
「あれ?結構星に詳しかったりする?
なんだー。俺が説明するまでもないじゃん」
「知ってるのはそれくらいだよ。ねぇ、南の星空の話しも聞きたい」
本当は夏の星座に関してだけはよく知っている。
あの夏に流星が聞かせてくれた星座の物語は、今でもハッキリ覚えている。
都会の夜空には見えにくい、3等星以下の暗い星の位置もちゃんと分かってる。
私の目に映るこの夜空には、流星に説明されるまでもなく、
星々の間が線で繋がれ、星座が描かれている。
でも知らない振りをした。
あの夏のように、流星の言葉で聞きたかったから…
そんな私の思惑には気付かず、
流星は少し得意げに南の星空を説明してくれた。
「一般的な西洋の神話は後回しにして、ちっとばかし蘊蓄(ウンチク)かましてもいい?
射手座の中にある南斗六星の中国神話の話し。
射手座ってどれだか分かる?」
「分かんない。教えて?」
「あの星とその星と…って言っても分かり難いか。
ゆかりちゃん、少し密着してもいい?エロい意味じゃなくて」
流星は立てた膝の間に私を座らせると、
私の背中に胸を付け、腕を回してきた。
流星の息がうなじに掛かりくすぐったい。
でも、本当にやらしい意味はない様で、
私の目線の先に指を示し、星の位置を分かり易く説明してくれる。