ラベンダーと星空の約束
服を着るのも忘れ、手の中のそれに見入っていた。
そうしている内に流星が目覚めた様で、後ろでゴソッと布団を剥いで身を起こす音が聞こえ、振り返った。
ベットの上で胡座を組んだ流星は、まだ眠そうな顔をしながら微笑んでいた。
「それ、紫へのクリスマスプレゼントだよ。
ネットショップで見付けた時に君の顔が浮かんでさ…買わずにいられなかった。
青紫色に星って、あのメッセージカードみたいだよな」
「私へのプレゼント…ありがとう…凄く嬉しい。
綺麗で深みのある色……」
「ん、俺もそう思う。
でも、朝日を浴びる君の裸体の方が綺麗だけどね」
「あっ キャア!
見ないで! 後ろ向いて!」
「何で隠すのさ〜昨日じっくり見てるし、たっぷり触って味わっ…」
「朝から何やらしい事言ってんのよ!
いいから後ろ向いてってば!」
「ほ〜い」
昨日全てを見られているのは分かってるけど、こんな明るい中で見られるのはやっぱり恥ずかしかった。
しゃがみ込んで体を隠し、流星が壁の方を向いたのを確認して、急いで服を着た。
「こっち向いてもいいよ」
「あ〜全部着ちゃったのか〜残念。せめて下着姿から声掛けて貰いたかったな〜」
「バカ…。 あのね、部屋から持ってきたい物があるから、ちょっと待っていてくれる?」
自分の部屋に行き、机の引き出しから流星へのクリスマスプレゼントを取り出した。
これを渡したら流星はどんな反応をするだろうか。
さっきの私みたいに、嬉しい驚きを見せてくれるだろうか。
流星の反応を想像しワクワクしながら部屋に入ると、
着替えを済ませた彼がティーパックの紅茶にお湯を注いでいる所で、ふんわりとダージリンのいい香りが漂っていた。
壁に立て掛けていた折り畳み式ローテーブルを部屋の中央に広げ、2人分の紅茶を置いてくれる。
紅茶の前に流星と向かい合って座り、持って来たプレゼントを笑顔で手渡した。
「俺に…? クリスマスプレゼント用意してくれてたの…?」
「うん。驚いた?」
「驚かされた…
すげー嬉しい…」
「ふふっ 開けてみて?
もっと驚くから」