ラベンダーと星空の約束
 


この人が寮長の亀井戸さん。

清潔感の漂うきちんとした服装。

優しい笑顔と、眼鏡の奥の知的な眼差し。



ホッとしていた。
この寮には普通の人もいるんだ。



個性的過ぎる人が、また登場したらどうしようかと思っていた。




それにしても…

この寮に着いてから「可愛い」と沢山言われた。

私って可愛いのかな?

自分の事は以外と分からない物だ。



弟の青空は
「ブス姉ちゃん」と呼ぶ。


お父さんと大樹のおじさんは可愛いと言ってくれるけど、それは明らかに親バカな感情からだ。


いつも一緒の大樹には、一度も言われたことがない。



自分は可愛いのか可愛くないのか、

それを一秒間考え結論を出す。



そうか、

東京では『初めまして』の代わりに『可愛いね』と言うのが挨拶なんだ。

よし、私も友達作りをする時に使ってみよう。




ドア前で亀井戸さんと簡単な挨拶を交わしていると、

部屋の中からヤツの声が聞こえた。




「あ〜 瑞希何やってんだよ〜 俺も抱っこしたーい。

ゆかりちゃん、こっち来て? 俺の膝の上は君の為に開けてありまーす!」




< 65 / 825 >

この作品をシェア

pagetop