ラベンダーと星空の約束
それは…
5年前、私が彼にあげたメッセージカード。
流星はいつものふざけた顔を封印して、真剣な眼差しで私を見つめていた。
色素の薄い瞳に、期待の色がにじんでいた…
「この風景に見覚えない?
それと…名前か愛称か分かんないけど“紫(ムラサキ)”って呼ばれてる子知らない?」
「ムラサキ……
ごめん…知らない…」
『紫(ムラサキ)』と書いて『ゆかり』と読む。
流星はそれを忘れている。
やっぱり私の名前を忘れている。
しかも、忘れているのはそれだけじゃないみたい……
私が知らないと言うと、彼の瞳の期待の色が薄れて…消えた。
「そっか…そうだよな…
北海道って言っても広いもんなー
そうそう都合良く、知り合いにぶち当たるわけないか……」
「その子を捜してるの?」
「んー…捜していると言うか…謎なんだよ」
流星はメッセージカードの写真の面を裏返し、文字を見せた。
5年前の自分の、子供っぽい筆跡…
『 待ってるね
紫 』
これを書いた時、
待っているから約束を忘れないでと…
そう願いを込めて書いたのに…どうして忘れてしまったの?
胸の中が苦しくなる。
目頭が熱くなってきて、慌てて瞬きを繰り返した。