ラベンダーと星空の約束
どうして私を忘れてしまったのか…
知りたかったその答えを、流星が話し出した。
「俺さー、小6の夏休みにフラノに行ったらしいんだよ。
その後、東京でちょっとした手術をしてさー
3日間意識を無くしてたら、目覚めた時には記憶が虫食いだらけになっていたんだ」
「…そう…なんだ…」
「大分思い出したけど、今もあの夏のことは思い出せない……
ゆかりちゃん、この文字どう思う?
丸っこい字体だし、語尾に“ね”が付いてるから、
これ書いたの女の子だと思わない?」
「…そう…かもね…」
「だよね。
俺…この女の子を待たせてるのかなー…
でも、名前すら分かんないしさー…
前はフラノに親戚がいたんだけど、
紫(ムラサキ)なんて名前の子はいないと言われたんだ」
あの夏、流星は親戚の経営するペンションに宿泊していた。
そのペンションのオーナー岡崎のおじさんは、私の事をよく知っている。
でも…
私の名前の漢字が「紫」だとは、知らなかったんだね……
「まあ、5年も経ったら待っていないだろうけど…
気になるんだ…紫(ムラサキ)ちゃんて誰なんだよ…」