真琴と『ぼく』の恋愛日記
―2年1組―
そう書かれた札が、ドアの上で揺れてる。
しばらくそれを眺めた後、溜め息をしながら教室に入った。
私が入った瞬間、それまで騒がしかった教室が、一気に静まりかえった。
なんで?
まぁ、いいや。席を探そう。
黒板に貼られた座席表を見ると、廊下側の1番後ろ。
どうせなら窓側がよかったなぁ。
廊下側は、かなり陰気な感じがするし。
とりあえず席について、先生が来るのを待った。
なーんか、ヒソヒソ話しながら、やたら注目されてるんだけど…
あの2人が言ってたことってこれ?
1年の時もたしかこんな感じだったような……
相当嫌われてるなぁ、私。
『よっ!真琴!お前も1組!?』
ぼーっとしてた私に、うるさいほど大きな声で話しかけてきたのは、足立 武志。
翼と一緒で、中学からの友達。
野球バカで1年の時からエースピッチャーに抜擢されるほどの腕前。
中学の頃から、翼一筋!…なんだけど、翼はあんなだから、なかなか振り向いてもらえないんだよね…。
でも、そんなのには負けず、とにかくいつも元気。
……てか、うるさい?