華は儚し

優しい顔をし、力強く抱きしめてくれた宗十郎様。



「…私がお前の望みをかなえるつもりだ」


大きく心が揺れてしまったのです。

見つめ合って、互いの顔が近づきまた…


と思った矢先、小鳥の鳴き声が聞こえて、


「…誰も見られないときにしよう」


名残惜しくも、押さえられない胸の高鳴りを

笑われてしまわないように深呼吸をして、



「はい」



と言いました。

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