田中のくせに!!
「ち、ちょっと待ってよ!」
あたしの必死の呼びかけにも、歩くペースは一向に落ちない。
「あたしまだ、岩槻くんに言いたいことがっ…!」
「何言っても意味ねーよ」
田中は振り向かず、前を向いたまま。
「…あとは自分達でどうにかするしかないんだよ」
「そうかもしれないけど…!」
…岩槻くんも、莉恩ちゃんも、あたしの大切な友達だから。
…そんな2人がすれ違ったままなんて、なんか嫌だな…。