曖昧な温もり

手を腰にあて照れもせずに堂々としている葛城の態度に驚くしかない。周りも一瞬シーンとなったがすぐにワーっと沸き上がった。





ヒューヒューと口笛を吹く者やキスしろと囃し立てる声。食堂はお祭り騒ぎ状態で今すぐここから逃げ出したい。






「アンタ、馬鹿じゃないの」





「かもな。ま、今さら照れんなって」





そう言われたと同時に私は葛城に腕を引かれ体が密着したかと思ったら訳も分からないうちに唇を塞がれた。





離れようにも後頭部に手が回っていて身動きが出来ない。あまりにも周りの視線が痛くて目を瞑るしかなかった。





長いキスのせいで頭の芯がボーッとし始めた頃、やっと離された唇。





「…んっ、ぁ」




「お前、人前で感じてんじゃねーよ」





葛城のその一言でまた沸き立つ野次馬たち。 もう顔を上げれない私を抱きかかえると食堂から逃げるように連れ去ってくれた。




行き着いた場所は普段は使われない空き教室。机に転がされ上から覆い被された私。次に何が起きるかなんて予想出来てる。





「さっきの続きしようぜ」





ニヤっと笑った葛城にキュンとしてしまった私はコイツに落ちてしまった大馬鹿者。そして私は快楽の波に飲み込まれた。




FIN

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