曖昧な温もり
ハッと目が覚めて起き上がった。周りを見渡しここが自分の部屋では無いことに気づく。
一体ここは・・・?
ちゃんと服を着ていたので安心し、そばにあった鞄を抱え急いでその部屋を飛び出そうとした時。
「よぉ。起きたのか」
シャワーを浴びてきたのか上半身は裸で濡れた髪をタオルで拭いている葛城が立っていた。見慣れぬその姿に私の方が恥ずかしくて目を反らした。
「ここって、もしかして…」
「そ、俺のウチ」
「迷惑かけたよね。ほんとゴメン。後で必ずお礼するから今日は失礼するね」
深々とお辞儀してからそそくさと玄関に向かったはずなのに、私の体は後ろからガッチリと葛城に抱き締められている。
「や…ちょっと、なんのつもり?」
「俺が簡単に帰すと思ったのかよ」
その言葉と同時に私の体は宙に浮き葛城によってまた寝室に運ばれた。そして私はあっという間に組敷かれてる。
「離して」
「やだね」
「噛みつくわよ」
「やってみれば?」