好きって気づけよ。




「凪くんにも、嫌いな人がいたんだね」


「そりゃ、当たり前じゃん。俺のことなんだと思ってんだよ」


「だって、凪くんって王子さまみたいだから」




王子だって嫌いなやつのひとりくらいはいるだろ。



っていうか、俺が王子さまって。


性格からしてちがうと思うんですけど……。



さらりと口にされたその言葉は、つっこみどころが多すぎた。



本当にこいつは、ばかっていうか……純粋っていうか。


けがれを知らないどころか、いろいろと無知すぎるんだ。



恋愛に関しては、とくに。



 
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