好きって気づけよ。
「……なら俺は、お前だけの王子さまになりたいよ」
「へ? 私だけの? どうして?」
「……うん。そういう反応するよな。
大きな意味はないし、忘れていいから。っていうか忘れろ」
案の定、きょとんと不思議そうな表情を見せた心愛から、俺はぱっと視線をはずした。
俺、なに言っちゃってんだよ。
言ったあとから、きざっぽいそのせりふがはずかしくなる。
まあ心愛は当然、意味を理解できないから、いいんだけど。
「じゃあ、忘れるね? ところで凪くん、今日も私の部屋で勉強するよね?」
「あー……うん」
「そっか。うれしい!」