俺と君との境界線
出だしが良くなかったのか結局終わったときには昼飯の時間になってた

机の上にある筆箱を鞄の中に入れて少しでも空腹を満たすためにポケットに入ってる飴を舐めながら生徒会室を出て急いで教室まで走った
何度か先生に注意されたけどまぁ気にしねぇ!!

教室に入るともう昼飯の時間なのにみんなガヤガヤしてる
叫び声上げて喜んでる奴もいれば、影をつけて落ち込んでる奴もいる

何なんだ? そう思ったときに和輝と沢田を見つけたからとりあえずあいつらのいる所に行ってみた

「なぁ。もう飯食った?」

「おう龍!遅かったじゃん!!はいこれ~」

和輝が笑顔で俺にプリントの束を渡してきた
そのプリントには赤いマルやバツがチラッと見えた
俺は朝三戸瀬さんが言ってた言葉を思い出した

【今日、テスト全教科帰ってくるからね】

「おいっ和輝、このプリントってまさか・・」

「もちろん!昨日終わったばっかのテストに決まってんじゃ~ん!!」

あぁ・・やっぱそうか。っつうか、何で和輝はこんなテンション高いんだ?

「龍。俺今回のテスト今んとこ50以下ないんだぜ!!」

いきなり聞いてもないこと言い出した
絶対テンション高い理由はそれだな

和輝が持っていたテスト用紙を裏から透かしてみて見るとバツの方が多いような気がする
ん・・?和輝が持っていたテスト・・
和輝が俺のテスト持ってたってことは?


「和輝・・!お前俺のテスト!!」

「大丈夫だぜ神月。ちゃんと俺が止めといたから。テストの点数とかは見てない!!」

俺の軽い怒りと言いたい事を察したのか沢田が穏やかな口調で俺をなだめて誤解を解いた

「俺がそんなことするわけないって!!もうちょっと俺のこと信用しろ」

ははっと笑う和輝。

してはないけど、しようとはしてたんじゃねぇか!!
俺は自分の手元にあるテストをしばらく眺めた



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