相思花
「お前はどう思う?」
不意にそう尋ねられる。
何に対しての“どう”なのか。
それは考える間もなく分かった。
「そうですね……芹沢さんの目的はともかく、やり方は少し手荒だとは思いますよ。」
芹沢さんとは浪士組の筆頭局長で、土方さんの仕事を増やしている張本人。
土方さんが書いていた書状は芹沢さんに関してのものだ。
芹沢さんのやろうとしていることは間違ってないと思うけど、やり方が荒いのよね。
「近藤さんは何と言っているんですか?」
そして近藤さんとは浪士組のもう一人の局長で、芹沢さんとは違い温厚な人。
「かっちゃんは、まぁ……いつもの調子だ。」
だけど、時々優し過ぎるのが傷。
苦い顔をする土方さんにも頷ける。
「お疲れ様です。」
それ以外に、この目の前の疲れはてている土方さんにかける言葉は無かった。
私が組の派閥やら、体制に口を出すべきではないし。
仕事を代わりにする事も出来ない。
だから私に出来る事なんて話を聞く事くらい。
少しでも土方さんの捌け口になっていればいいのだけど……
チラッと土方さんを見ると眉を下げて微かに笑う。
「お前は気使わなくていいんだよ。」
……あ、気付かれてた。
土方さんは賢い。
私の考える事なんて軽く見通してしまう。
その上、土方さんは優しい。
組の皆は鬼だとか、冷血漢だとか言うけれど、それは土方さんの上部だけを見ている人の言葉。
ちゃんと土方さんと向き合えば分かる。