相思花
あ、でも沖田さんは土方さんの事分かってるけど、おもしろ半分で“鬼さん”なんて言ってる。
でも、あれって一種の愛情表現だよね。
ふと例外を思いついた。
「何笑ってんだ?」
「え?」
そう指摘されて顔に手を伸ばすと、口元が緩んでいた。
無意識の内に笑ってたよ私。
「沖田さんと土方さんは仲良しだなって思ってました。」
私の言葉に土方さんは眉間にシワを寄せる。
「総司が「僕の事呼びました?」
わっ……びっくりした。
土方さんの言葉を遮ったのはいつの間にか部屋にいた沖田さん。
その横には困ったように笑っている男性、名前は山南敬助さん。
「総司、お前は無断で入ってくるなと何度言えば分かるんだ!」
あ、雷が落ちた……
「あーもう、そんなに怒鳴ってばかりいたら羽衣ちゃんに嫌われますよ。」
どうして私を引き合いに出すんですか!?
触らぬ神に祟りなしと言うように、触らぬ鬼に怒りなし。
土方さんに雷を落とされるなんてまっぴらごめんだ。
鋭い視線をこちらに向ける土方さんから目をそらし、山南さんに助けを求める。
「まあまあ土方くん、悪いのは私ですから。
土方くんに声をかけましたが話に夢中で気づいていないようでしたから、沖田くんが代わりに土方くんを呼んでくれようとしたのですよ。
沖田くんを叱らないで下さい。」
「まあ……あんたそういうなら。」
さすがは仏の山南さん。
いとも簡単に土方さんを宥めた。