オケラとドブネズミ
そう意気込んで始めた一人暮らし。

家を出てからはろくに家族に連絡も入れず、わたしは今まで溜め込んだ鬱憤を晴らすように、思う存分に好き勝手やった。

実家暮らしでは絶対にタブーだった夜の仕事をはじめ、もともとあった人見知りの気を克服しようと我武者羅だった。

誰に何を言われようと自分が最高の恋愛にたどり着くために、すべては自分のためだと思い、わたしは自分を売るのをためらわなくなっていった。
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