花とミツバチ
「…、」
そしてやって来たのは、フロアの端にあるひと気のない会議室。誰もいないことを確認して、俺は部屋の鍵をカチャンと閉めた。
「はぁ…いきなり何してるのよ」
「え、えへ…つい勢いで」
「ていうか皆で覗いてたのね?」
「あっあれは田中さんたちが元々覗いてて…」
やや不機嫌そうに言う先輩に、俺はその体を後ろからぎゅっと抱き締める。
「…怒りました?」
「…私は内緒にしていたいって言ったよね?」
「けどいつまでも隠しておくようなことじゃないと思うし、それに…こうやって変な虫つかなくていいと思ったし」
「変な虫って…」
「先輩可愛いから心配なんです!!もう!!大好きすぎて他の男にちょっかいとか出されたくないんです!!」
小さな体をぎゅううと抱きしめ、頬ずりをする勢いの俺。すると彼女はこちらを振り向いて、がしっと俺の顔を両手で掴んだ。