彼氏は11才!?
「チィッ!!あのクソ野郎!!」

弁護士・木下学の言葉に盛大に舌打ちをする母。
慎めよ。


「おい、美幸は清彦の運転する車に乗ったばかりに事故死したんだぜ?美幸が死んだのは清彦の所為だろーが」


チンピラのような知子さんの旦那が喚く。

チンピラの言う『美幸』とは清彦おじさんの奥さんで知子さんの妹なのだろう。

それにしてもムチャクチャな理由だな…。



「話は最後まで聞け。遺言には続きがある」


チンピラに動じることも無く一喝する紅ちゃん。
貫禄が60代の組長だよ。



「神宮紅一郎氏が成人するまで仮親となる者には養育費として相続した遺産の一部を使うことを許されます」

「一部とは…?」


ゴクリ、と息を飲む一同。

少しの間を起き、弁護士・木下学はとんでも無い額を口にした。


「5千万程ですね。あくまで、養育費という名目で使うことが条件ですが」


「5千万が養育費!?ばっかじゃねーの!何を学ぶ気だよ!?」


正宗の叫びに私は激しく賛同した。
5千万て…!!その5千万すら神宮家の資産の一部!!
総額はいくらになるんだよ!!


「紅一郎は私達が引き取ります」


ハイ、と挙手する知子さん。
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