彼氏は11才!?
ちなみに掌底[しょうてい]とは、手の平の下部分を使う打撃技のことだ。


「誰を妻にするか僕が決める。貴様等が意見をする権利などミジンコのクソほども無い」


私の意見は全無視か。


「話は終わりだ。失せろ」







こうして遺産相続戦(?)は紅ちゃんの掌底により幕を閉じた。

そして夕方。




「この人が清彦おじさんか…」

「髭が凛々しいね」


私と正宗の報告が遅れた所為で、既に昨日の晩に終わっていた葬儀。

遺影には髭を生やした凛々しい中年男性が写っていた。
この人が清彦おじさんだ。

その隣の遺影には美しい女の人が写っている。
清彦おじさんの奥さんで紅ちゃんのお母さん。

紅ちゃんは完全にお母さん似だ。


「南無阿弥陀仏…」


正宗が手を合わせ、念仏を唱える横で私は供養の線香に火を付けて供えた。


遺産に群がっていた他の人達は既に帰り、今は私達と紅ちゃんと使用人の人しかこの屋敷には居ない。

紅ちゃんは私達の家に来ることになり、この屋敷は管理会社に預けることになった。
使用人達はというと、再就職先を紅ちゃんが用意してそれぞれ散々になるらしい。

11歳のクセに抜かりが無いなんて凄いなー。
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