好きなもんは好き。
小学校も、中学校も、高校も。
ずーっと、歩きで恭平と一緒に登校、っていういつもと変わらないスタイル。
「何故か恭平とは喧嘩しても一緒に登校したよねー。」
「…あー、俺と舞香って喧嘩したっけ?」
「ほら、小3と中2の2回だけ。大きい喧嘩はね。」
ごく小さい喧嘩なんて数え切れないし。
小3は、まあ、あたしが泣いてることをからかってきた恭平にあたしがブチ切れて。
中2はたしか、あたしの友達が勇気出して恭平に告白したのに冷たくフったことが原因だったかな。
…あれ、どっちにしろあたしからキレてるじゃん。
「でも、恭平が絶対にあたしん家の前で待っててくれたよね。」
「…そうだっけ?」
「そうだよ。」
…あ、照れてるな。
茶色くなった頭を掻く恭平にクックックと笑う。
すごい不審者みたいな目で見られてるなんて、そんなことは気にしないもん勝ちですよ。はい。