好きなもんは好き。






いっつもそう、いっっっっつもそう!!





基本新学期聞かれる言葉は、




“『恭平くんと付き合ってるの?』”だし、




付き合ってないって言えば、




“『じゃあどっちかがどっちかを好きなの?』”




みたいに言われるし…。






ほんと、ハハッと乾いた笑みしか零れませんね。





いっとくけどね、そんな漫画とかドラマみたいに幼馴染で恋愛なんて夢見てるんじゃないよっ!!




現実じゃ、幼馴染なんてね、





「舞香、どうしたんだよ。」



「…ええ、別に。毎回モテまくりのあなた様にはわかりませんよ。」



「なんだよ、そのひねくれた魔女みたいなセリフ。」





…恋愛対象にさえ、






「魔女…!?」



「ほら、その顔。毒リンゴ作ってる時の顔にそっくりだぞ。」





…入らないですからねーーーーーーーー!?





ケタケタ笑う恭平にチッと舌打ちをしてズンズン昇降口へ近づく。






「冗談だよ。くっ…怒んな…って…!」



「最後の方笑いすぎて聞こえませんでしたけど!?」





失礼だな、ほんと!!




確かに認めるよ、いくらあたしでも。





確かに恭平はカッコいいし、イケメンだよ。





でもまあ、ほら、それが恋愛対象に入るかなんて全く別の話じゃん?





そうそう、そういうこと。





「さあーて、と、小篠舞香は何組かなー?」





腕組みをしてクラス分け表をジーっと見つめる。




うん、A組じゃないみたい。




B、でもない、C…。





「あった、C組!」



「お。俺もC組。」







え、恭平も?






そう思ってあたしの名前の下を見ると、確かに、“櫻田恭平”の文字。






…ああ、あたしの平和なスクールライフは?








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