好きなもんは好き。






「大体、恭平も恭平なんだよ。文句あるならからかわずに直接言えっての。」




「…舞香、いい加減気づかないの?鈍感なの?バカなの?」






えっ、な、なにっ!?なんで罵倒されてるの!?






なんか傷ついた!!!






「ば、バカだけど…そんな、はっきり言わないでくださいよ先輩…」






「先輩じゃないから。」






ガクッと肩を落として、渋々紫乃の隣に座りお弁当を開ける。





今日は、ウィンナーがタコなんです!いえい!







「…てかさ、あたし最近みんなに鈍い鈍い言われるんだけどなんで!?」





「あ〜、鈍いからじゃない?」





「…反射神経には自信があるのに?」





「そういう話じゃないんだな。」







じゃあどういう話よ、って言おうとしたけどやめた。







紫乃はこうやってハグらかすとあたしが分かるまで教えてくれないってわかってるし!








一応ね、恭平には及ばないけど結構一緒にいるんだからね!









「ねえ、舞香はさ、ぶっちゃけ好きな人とかいないの?」





「え…いや、いないけど。なんで?」





「…舞香はさ、鈍いけどさ、自分のことにまで鈍いんだよねー。」







紫乃の問いかけに答えればそう言われる。






じ、自分のことにまで鈍い…?






それ、あたしがあたしをわかってないってこと?







「いやいやいや、自分を一番わかってるのは自分って言いますやん、姉さん。」





「誰が姉さんなのよ。…でも、そう見えて案外見えてないのが自分なんだな〜、」






「うーん、そういうもん?」





「そういうもん。まあ、一歩引いてよーく考えてみたら分かわよ。」






「な、なるほど…?」






客観的に見ろ、ってことなのかな?








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