約束の大空 2 【第三幕完結】※約束の大空・3に続く
無心に心の中で願い続ける時間。
ふいに雷の音が大きくなって眩しい光が姿を見せた気がした。
龍神様?
そう思ったのも束の間、山鳴りを巻き込むような大きな落雷が轟いた。
一瞬見えたビジョンは、その落雷が瑠花たちを貫いたこと。
二人はその衝撃と共に光に包まれて消えた。
助かった?
多分……龍神様が助けてくれた。
そのまま腰が抜けたように、私は岩神さまの傍でペタリと座りこんだ。
「終わったのか?加賀」
静かに問いかける声に私はゆっくりと頷いた。
「多分……これで大丈夫」
斎藤さんにそう呟いて私の体の力は抜けていった。
気が付いたのは岩神様の前ではなくて見慣れた屯所内の部屋。
「舞、大丈夫?」
心配そうに私を覗き込んで声をかけるのは花桜。
「斎藤さんが抱えて運んできてくれたんだよ。
雨の中、裸足で何処に行ってたの?
一時期は熱も出てて大変だったんだよ」
そう言いながら、花桜はそっと私の額に手を伸ばす。
「良かった。熱も下がってきたみたいだね」
そう言うと、花桜は部屋の襖をゆっくりと開いた。
冷たい冬の風が吹き込んでくるものの、
空は昨日の大荒れの天気が嘘のように澄み渡ってた。
「いい天気だね」
「ねぇ……瑠花と沖田さんは?」
昨日見たビジョンが嘘だったらいいと、
そんなことを思いながら問いかける。
「ううん、まだ見つからない。
夜中に、近藤さんを乗せた馬が帰ってきたの。
瑠花と沖田さん、どうしたんだろう。
歴史通り、近藤さんは誰かに銃で肩を撃ち抜かれてた。
丞が傷口を確認して初期治療はしたけれど、
近藤さんは大阪城で療養することになったって聞いた」
花桜の言葉に、あの感覚が夢ではない現実なのだと確信した。
「ねぇ、花桜。
多分、瑠花は一足先に現代に戻ったよ。
沖田さんを連れて」
「えっ?」
私の言葉に、花桜は凄く驚いた表情を見せた。
だけどそれはすぐに、安堵の顔へと姿を変える。