約束の大空 2 【第三幕完結】※約束の大空・3に続く
「花桜、入るよ」
瑠花の声が聞こえて近づいてくると、
瑠花は崩れ落ちた体を優しく抱きとめた。
「……馬鹿ね……。
総司も花桜も……本当に……
どうしようもない大馬鹿よ」
そうやって抱きしめてくれる瑠花の温もりが、
私の涙腺を解していくようで……。
瑠花を縋りつくように声をあげて泣く。
明日をもう一度歩き出すためにこの涙は必要なはずだから。
山南さん……弱い私に何が出来るかなんて
正直わからないよ。
貴方の旅立ちは立派だったのかも知れない。
だけど……そんなの私にはわからない。
貴方が消えてしまったこの空虚さは変わらないもの。
だけど……それでも決めた私が出来る事。
この世界を精一杯歩き続けること。
貴方が未来を託して守りたかった
この新選組を大切な人たちを一番近くで見届けるから。
だから……今だけ泣いてもいいですか?
目が覚めたら、前を向ける強さを抱いて
歩いて見せるから。