あなたの心理テスト(ホラー)
 「何だよ。何か用があるなら言えよ」


「…あの…」


 珍しく口をもごもごさせている蘭。服を引く力が強くなる。


「あのね」


 俯いていた顔を上げた蘭は、赤くなっていた。


「努、今日ここに何で来た?」


「はあ?」


 そんなに赤くなってまで聞くことじゃないだろ、と努は思った。


「別に…徒歩だよ。歩きだよ」


「…そう」


 上がったかと思った蘭の顔がまた、俯いてしまった。


―――――なんか俺、まずいこと言ったかな?


 努はそう思い、今までの言動を振り返ってみるも思い当たる節はない。


「何だよ?どうしたんだよ。その…なんか気に障ることでも言ったんなら謝るから、さ」


 両手を合わせて頼み込むようなしぐさをする努。


心の底では、なんで俺がこんなこと…とも思っていたが。


「自転車だったら、乗せてほしかった、の…」


 絞り出したような蘭のか細い声に、


どきっ。


不覚にもときめいてしまった努だった。


「だって私…」


 努は次の言葉を待った。


―――――え?何、この妙な雰囲気。自転車に乗せてほしかった、って…。


   まさか蘭、俺のことす、好き、とかじゃないよな?


 努は期待に胸を膨らませた。


このシチュエーション、このしぐさ、この雰囲気。


どんな男子でも期待はしてしまう。


「私…っ」


「う、うん」


どくん、どくん、どくん。


 脈拍が早まり、汗が出てくる。やはりエアコンなど意味がない、と努は思った。


好きな女子じゃなくても、やはり告白される、というのは気持ちのいいことだと努は思った。


勝手にもう告白される、というところまで努の妄想は進んでいた。
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