あなたの心理テスト(ホラー)
 「今日…女の子の…日、なのよ」


「え?」


―――――オンナノコノヒ?何を言ってるんだ?俺のことが好き…とかいう展開じゃないのか?


「だから、歩くの辛いの!自転車なら…楽かと思って」


 思い込みからの意外な展開は、なかなか受け入れられないものだ。


完全にこうだ、と思い込んでいるのだから仕方ない。


それ以外ありえない、と思っていたところにもう1つの選択肢が飛び出てくるのだから。


 そんなこんなで、努も軽いパニックを起こしている。


 ぱくぱくと口を開け閉めし、酸素を求めてもがく金魚のようだ。


それを見てまた、


「くすくす…」


 蘭は笑い出す始末。


「な、何笑ってんだよ!?誤解させるお前が悪いんだぞ!?」


 蘭のことをお前、と呼んだことに努も蘭もお互い気が付かない。


「はあ?誤解?何言ってるのよ」


 蘭は全くそんなつもりはなかった、という様子。


―――――ときめいちまった俺がバカみたいじゃねえか。


 努は軽く後悔した。


「とにかく!俺は歩きで来たから、自転車なんてねーぞ!」


「…仕方ないわね」


 蘭は諦めたのか、ずっと掴んでいた俺の制服の端を離した。


ほんのり赤く染まった頬に、


「馬鹿。何赤くなってんだよ。蘭のくせして」


どきっとしてしまった自分は本当に馬鹿だと思う努。


「蘭のくせして、ってどういう事よ。それに赤くなってなんかいないわ」


「いいや。なってる。鏡があったら見せてやりてーな」


「絶対なっていないわ」


「いいや。なってる」


「なってない」


「なってるっての。認めろ」


「いいえ。目の錯覚でも起こしたんじゃない?」


くだらない言い争いが数十秒続いたかと思えば、努と蘭は、


「「…ぷっ、馬鹿みたい」」


お互い顔を見合わせて笑い出した。


「ほら、送ってってやるよ」


 生理痛ってのは辛いのか、と思い、努は全く気のない女子、蘭に手を差し出した。


ほんの優しい気遣いだった。


 しかし、


―――――これじゃあ俺が誤解させちまうじゃねーか。


とも思って、手を引っ込めた。


「…っ」


 努の手に自分の手を重ねようとした蘭の表情は、


どこか悲しそうだった。


 それには努も、気づいていない。
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