あなたの心理テスト(ホラー)
 「は?」


 黒いブックカバーを外すと、黒い表紙。こんなこと、あっただろうか。


こんなに残念な表紙を、見たことがあるだろうか。


お世辞にも魅力的とは言い難い表紙。


「…」


 努は本を持ったまま、少しの間硬直していた。

……………………


 数分の時間が経った。


 努は我に帰ると、あることに気が付いた。


質感、触感から感じた違和感。


「! そうか!」


 努は何を思ったことか、表紙を千切り始めた。


びり、びりり、びり、びりりりり。


 表紙が断末魔を上げていくように破れていく。


 表紙は上から下まで千切れ、真っ二つに割れ、本は新しい顔を見せる。


「…やっぱり……」


 なんと今まで表紙だと思っていたのは、2枚目のブックカバーだった。


1枚目のブックカバーとは質感が違うため、努は気づかなかった。


 一般的に本の表紙はすべすべ、つるつるしている。


しかし1枚目も2枚目もそうではなかった。


 そこで努は気づいたのだ。表紙ではないと。


 本当の表紙は、2枚目が隠していたという事。


 そして『本当の』表紙は、白い。


今までのブックカバーを見てきた努は、余計白く感じる。


 本の題名は『あなたの心理テスト』。著者は『らい7』という方だった。


「らい7?」


 努は分からなかった。著者の読み方が。


―――――『らいなな』か?それとも『らいせぶん』?


 そんなこと実際にはどうだっていいのだが、


この不思議なオーラを放つ本を書き上げた人だから、努は気になったのだ。


 そして題名。『あなたの心理テスト』。


 まさか心理テストだとは、努も思わなかった。


 目の悪い努は、あんなに高い所にある本の題名など、見えてはいなかったのだ。
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