あなたの心理テスト(ホラー)
 「お、おおおお…!!…っしゃああああ!!」


 その場で努は飛び上がり、ガッツポーズをした。


こんなに感情を外に出したのは久しぶりだな、と努は思った。


―――――嬉しいが、なんでだ?なんで俺の鞄にこの本が入っている?


   俺は万引きなんかしていない。いや、したか…?ううん、絶対にしていない。


 ぶるぶると首を振り、自分の考えを否定する。


 でも今、そんなことはどうでもよかった。


この本を手に入れた、その事実のみが努の頭を支配する。


 しかし、その本は努が見た時とは様子が違った。


それは、『ブックカバー』。


 もちろんブックカバーとは本を買った後に店員さんにつけてもらうものである。


しかし努はこの本を買っていない。買った記憶など、もちろんない。


なのになぜか、この本にはブックカバーがついていた。


 柄など無い、漆黒の黒。夜の色。


本当にただ真っ黒なブックカバーが本を包み込んでいる。


 努は恐る恐る震える手で鞄から本を取り出した。


嬉しかったが、なんだか気味が悪い。


本から溢れ出るオーラもなんとなく恐かったが、それよりも、


この本についている黒いブックカバーが恐かった。


 別にこんなブックカバー、どこにでもある様なものだ。


不気味なゾンビ柄とか、染みなどはついていない。


黒、黒、黒。黒一色。


 それなのに不気味だった。努の本能が恐怖を訴えている。


―――――気持ち悪いな。よし、取ってしまおう。


 そう思い、努はブックカバーに手をかけた。


びりっ。


その瞬間、手に電気が走ったような…気がした。


―――――気のせいだ。考えすぎだぞ、俺。


激しい動悸を落ち着かせ、もう一度、ブックカバーに手をかけた。


「……」


 今度は何も起こらない。やはり考えすぎだ、と努は思った。


 表紙をめくり、ブックカバーを取り外していく。


裏の方についているカバーは簡単に外れた。


 これで表紙が見られる…と、努は期待していた。


 しかし、努の期待を裏切るかのように、ブックカバーを取り終わった本の表紙も黒かった。
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